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九州とともに挑む、新しい小売業のかたち──人を育て、地域と育つ、イオン九州の変革

九州とともに挑む、新しい小売業のかたち──人を育て、地域と育つ、イオン九州の変革

金子 亮輔(かねこ りょうすけ)氏
イオン九州株式会社 執行役員 人事総務本部 本部長/健康経営推進責任者/サステナブル推進責任者。ホームセンター事業での店長職を皮切りに、業態開発や人事、経営企画などを歴任。現在は人と組織、地域との共創を軸に、イオン九州の未来を支えている。

経験のすべてを“次の一手”に変えていく

私はもともと、ホームセンター事業の店舗運営からキャリアをスタートしました。店長職を経て、業態開発にもチャレンジしてきました。

その後、自ら希望して人事部門へ異動し、人事部長も経験させていただきました。最近では経営企画部にも在籍し、中期経営計画の策定や開示にも関わってきました。

特に印象的だったのは、イオン九州として初めて中期経営計画を“社外にディスクローズ”する取り組みです。

これまであまり外部発信してこなかった未来展望を、しっかりと形にして伝えることで、社内外との対話が生まれました。IRの場でも議論の材料になり、会社として新たなステージに進んだ実感があります。

「いいとこ取り」の統合が、100億円台の利益成長を実現

現在のイオン九州は、「イオン九州」と「マックスバリュ九州」という2社の統合によって生まれました。

統合前、私たちは「企業規模は大きいけれど、利益がなかなか出にくい」という課題を抱えていました。

その中で、人事責任者として取り組んだのが“制度統合”です。ただ統合するのではなく、お互いのいいところを活かして“いいとこ取り”の制度をつくることを大切にしました。

どちらか一方に合わせるのではなく、経営が成り立ちつつ、社員のモチベーションも上がるような設計にこだわりました。その結果、営業利益は統合当時の約30億円から、3年で100億円台へと成長。

これは数字以上に、「共に働く人の力が、制度次第で最大限に発揮される」という手応えでもありました。

多様性を受け入れる組織へ──“とがり”と“協調”のバランス

小売業という業種の特性もあって、私たちの会社には協調性の高い人がとても多いです。これはとても大切な強みです。

一方で、「とがった発想」や「特性の強い人材」が少ないのも事実です。これは、ある意味で会社の伸びしろでもあります。

新しいものを生み出すには、多様性が必要です。私たちも“とがり”を受け止められる土壌をつくり、年齢や属性を超えて意見を出し合える組織へ進化していきたい。

今回NEO福岡とご一緒させていただくのも、まさにその一歩です。これまで社内で挑戦していた「若ラボ」という若手提案プロジェクトなど、社内の新規事業や人財育成にはたくさん力を入れていきましたが、イオンは地域のハブという機能を持っていますので、外部との対話を通してこそ、本当の化学反応が起きると考えています。

NEO福岡との連携に込めた、本音と期待

NEO福岡の取り組みの中で特に魅力を感じたのが、単なる企画検討にとどまらず、実行まで踏み込める“第3学期”の設計です。これは他にはない価値だと感じています。

しかも、他社との共創の場が設けられている。そういう場で、“自分たちとは違う思考回路”を持った若い人たちや企業と出会えるのは、企業にとって本当にありがたいことです。

イオン九州としては、「若者にどうリーチしていくか?」というテーマのもと、衣料品やCX・戦略領域の若手メンバーを選抜して参加しています。

ただ、私としては「今の会社の方針に従って動くような提案」で終わってほしくないと思っています。

むしろ、全然違う視点から、新しい提案を生み出してほしい。そういった挑戦に対して、私たちは「どう支えるか」を真剣に考えていきたいと思っています。

地域と未来を一緒につくる仲間へ

私たちイオン九州は地域との「つながり」を大切にしています。

自分たちだけがよければいい、利益が出ればそれでいい、そんな考えではなく、地域と一緒に成長していくことが会社の役割だと思っています。

今回NEO福岡に参加される若い皆さんは、これから福岡・九州を舞台に生きていく人たちだと思います。

私たちは、その皆さんと一緒に地域を元気にしていきたい。年齢も立場も関係なく、“本音で話し合える仲間”として、共に未来を創っていきたい。

忖度せずに、正直に、違う視点から。

その一歩を、NEO福岡という場で踏み出せたら、これほど嬉しいことはありません。

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