NEO INTERVIEW NEOで活躍する、
地域のPlayful Leaderたち

トラックに乗るつもりが、人を育てる道へ。そして今、若者に賭ける思い

トラックに乗るつもりが、人を育てる道へ。そして今、若者に賭ける思い

井口 知己(いぐち ともみ)
和歌山県出身。1990年に山九株式会社へ入社。労務・人事を中心にキャリアを重ね、現在はエリア長として、九州全域の事業経営に携わる中、地域連携に尽力している。

「何もないところから形をつくるのが、私たちの仕事です」。そう語るのは、山九株式会社 執行役員・九州エリア長の井口知己さん。人を育てる現場に立ち続けてきた井口さんが、NEO福岡に参画することになった背景には、当初の戸惑いと、その後の“納得”の変化がありました。「これ、意外とおもしろいかもしれへん。」そう思えたきっかけ、そして今、若者に託す想いとは──。

「トラック野郎」に憧れて、労務の道へ

山九への入社は、バブル真っ只中の1990年。就職説明会に行くだけで内定がもらえるような時代でした。

「幼少時代にテレビで見た”トラック野郎”の映画が好きで、物流業界に就職することを決めたんです(笑)。」そんなきっかけで飛び込んだ山九でしたが、配属されたのは意外にも“勤労課”でした。

「トラックに乗ると思っていたら、労務管理の仕事だったんです(笑)。」

とはいえ人事労務の世界で経験を重ねるなかで、「人を雇う仕事」「人を育てる仕事」「人を守る仕事」の面白さ、深さに気づいていきました。

若者を育てる現場が、一番おもしろい

井口さんが最もやりがいを感じているのは、新入社員や若手社員の教育です。

地方から入社する若者のために、フットサル場付きの社員寮づくりにも自ら関わってきました。親御さんが安心できるよう、寮内の設備や食事の質にもこだわったといいます。

提供:山九株式会社
提供:山九株式会社

「親御さんからしたら、子どもがどんな場所で生活しているかは気になりますよね。だったらちゃんと見せられる施設をつくろうと考えたんです。」

その想いは、300人弱が暮らす社員寮というかたちになって実を結びました。

提供:山九株式会社

何も決まってない?それならやるしかないやろ

NEO福岡への参画は、最初は本社から「やってみてほしい」と言われたことがきっかけでした。

「正直、最初は“また仕事が増えるんか”くらいに思っていました(笑)。」と井口さん。

けれど、NEO福岡の担当者と会って話を聞くなかで、その印象は一変しました。

「“何をやるか”が決まっていない。その自由さに、逆に燃えたんです。」

井口さんはこれまで、新卒教育や寮の設計、事業立ち上げなど、“ゼロから形にする”現場を多く経験してきました。

「答えのあることだけをやっていても、会社って変わらないんですよ。決まっていないところに飛び込んで、どう動くか。それが一番、自分たちの成長につながると思っています。」

NEO福岡は、そんな“問いを持ち、動き出す場”としての可能性を秘めている──そう確信したといいます。

「外の風」が、社内を変えていく

山九はBtoB企業であり、社内にこもりがちな性質を持つ。だからこそ、NEO福岡のような社外の空気に触れる場は貴重です。

「外の風を感じた人が社内に戻ってきて、その考え方や視点がじわじわ広がっていく。そうやって会社は変わっていく。」

テーマを与えるとそこに引っ張られる。けれど、発想力を求められる場なら、各自が自分の頭で考える。それが、若手にとって大きな“育ちの場”になる。

「それに、“飛び込んだ”ってことだけでもうすごいと思う。普通はできへんもん。」

若者たちへ──正解のない時代に、動ける人に

井口さんが若者に期待するのは、「正解を探す力」ではなく、「問いに向き合う力です。

「喧嘩してもいいし、迷ってもええ。いろんな人とぶつかって、自分の答えをつくっていけばいい。」

働くことに正解がない時代。そんななかで、“発想力”と“行動力”を持つ若者が会社の空気を変えていきます。

NEO福岡という共創の場が、若者と企業をつなぎ、未来を動かすきっかけになる──井口さんのまなざしには、そんな静かな確信がにじんでいました。

  • トラックに乗るつもりが、人を育てる道へ。そして今、若者に賭ける思い

  • 楽しくなければ、人生じゃない。仕事じゃない。―現場発・人づくりと事業づくりを両立する経営者の「仕事論」

  • 「人を大切にする会社」は本当だった― ―さくらフォレストが描く“熱量の細胞分裂”

  • 30社30億円の未来構想――福岡から“ウェルビーイング”を届ける挑戦

  • 西日本シティ銀行が見据える未来 – 地域密着と革新、若者と共に創る福岡

  • 共感の先に、まだ見ぬ景色を。ふくおかフィナンシャルグループ執行役員(福岡銀行 取締役専務執行役員)橋爪氏が語る、地域への想いと若者と共に創る未来

  • 「既存の前提を疑い、新しい価値を創造していこう」KBCグループホールディングス経営戦略室長 松尾恵美氏が語る変革への挑戦

  • 常識を覆す挑戦と、未来への「面白い」の追求

  • 株式会社タカギ 下原様が語る、チャレンジ精神と地域、そして若者との未来共創

  • 通信の未来を切り拓く挑戦と、九州に根ざす想い

  • やずやの人と組織の成長、そして未来への挑戦

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