NEO INTERVIEW NEOで活躍する、
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通信の未来を切り拓く挑戦と、九州に根ざす想い

通信の未来を切り拓く挑戦と、九州に根ざす想い

1956年生まれ、山口県出身。東京大学工学部電気工学科卒。1979年九州電力入社。火力部副部長兼建設グループ長、経営企画本部エネルギー設備担当部長、事業推進本部長、企画・需給本部長、国際担当などを経て、2023年にQTnet代表取締役社長執行役員に就任。趣味は読書、ジャズ鑑賞。

九州を拠点に、個人のお客さまの生活に欠かせない光インターネットサービス「BBIQ(ビビック)」格安スマートフォンサービス「QTモバイル」から、法人向けのICTソリューションサービス「QT PRO」や「生成AI」「セキュリティ」サービス、さらにはeスポーツ事業まで、多岐にわたる事業を展開する株式会社QTnet。変化の著しい情報通信業界においてQTnetを牽引するのは、代表取締役社長 小倉良夫氏。
九州電力株式会社で要職を歴任後、QTnet代表としてリーダーシップを発揮し、同社の成長と変革を推進する小倉社長のもと、QTnetがいかに未来戦略を構築し、その挑戦を支える企業文化や地域貢献に取り組んできたのか、その核心に迫ります。

九州と共に。私たちが大切にしていること

当社事業の大きな柱は二つあります。

一つは、皆さんの多くがご家庭でご利用されている光インターネットサービスの「BBIQ」、そして格安スマートフォンサービス「QTモバイル」、さらにはオンラインショップ「BBIQ特選ショップ」といった、個人向けのサービスです。

個人向けサービスの「BBIQ」は、阿部寛さんのユニークなCMなどでもお馴染みかもしれませんが、2024年度に50万契約を突破しました。
また、「QTモバイル」も10万契約を超え順調に契約数を伸ばしています。この業界は全国大手の通信事業者が非常に強いですが、当社は九州の企業として独自の光ネットワークを活用し、通信品質やきめ細かなサポート力に磨きをかけ、「BBIQを選んでよかった」と心から思っていただけるよう努力を重ねてきました。これはもう私たちのこだわりでありプライドですね(笑)。

そしてもう一つが、「QT PRO」ブランドで企業や自治体向けに提供しているICTソリューションサービスです。


「QT PRO」では、通信ネットワークやデータセンターなどの提供に加え、今後は、セキュリティやICTソリューション、ソフトウェアに近い領域まで展開し、地域の「今、これが欲しい」「これで困っている」という具体的な課題に対し、もっときめ細かく応えていきたいと考えています。

売り上げ規模は、個人・法人おおよそ半分程度ですが、個人・法人関わらず、これからも九州の皆さまの日々の暮らしとビジネスを、そして地域全体の成長をしっかりと支えていきたいという想いで取り組んでいます。

「生成AI」と「セキュリティ」、そして「新しいこと」へ

これから特に力を入れていく分野は「生成AI」と「セキュリティ」です。

生成AIについては、実は世の中を大きく変える可能性を秘めていると直感し、早い段階から社内で検討・準備を進めてきました。そして開発したのが、複数のAIモデルを活用できる生成AIプラットフォーム「QT-GenAI」です。すでに福岡県庁などの団体・企業さまに総数2000ものIDをご利用いただき、その効果を実感いただいています。今年の4月からは専門の事業部も立ち上げており、当サービスを通じて、ビジネスの生産性向上や新たな価値創造を加速させるサポートができればと考えております。

そして、最重要課題として認識しているのがセキュリティです。
最近、サイバー攻撃による大手企業の被害がよくニュースになりますが、インターネットが社会の隅々まで浸透した今、サイバー攻撃はもはや他人事ではなく、セキュリティ対策は企業の存続そのものに関わります。
セキュリティ確保については、通信ネットワークやデータセンターといった強固なインフラも重要ですが、不正侵入の監視や脆弱性の確認、従業員へのセキュリティ教育まで、トータルでの対応が必要となるため、企業の情報セキュリティを守るお手伝いを進めています。  

また、九州のサイバーセキュリティを強化するためにセキュリティコミュニティ「KYUSEC(九州セキュリティシンポジウム実行委員会)」の活動にも取り組んでいます。九州の大学、行政、企業など36の組織が加盟し、当社が運営主体となり、サイバーセキュリティの啓蒙活動と情報交換を行っています。2024年の6月にはKYUSECと在福岡米国領事館との間で「米国と九州のサイバーセキュリティ・パートナーシップ」イニシアチブを発表しました。GoogleやFBI(米連邦捜査局)といった組織からサイバーセキュリティの専門家が九州に来て、各地で情報交換や人材育成活動を行っています。セキュリティリスクは米国から広がります。その最先端の情報に触れることで、先回りしたサイバーセキュリティ対策を打ち出すことができると考えています。


こうした新しい挑戦を支えているのが、当社の「未来を拓く新たな“光”を、九州から。」というビジョンです。これは、常に新しいことに挑戦し続けるという、私たちの企業文化、いわば社内全員のDNAのようなものです。デジタルエージェンシー事業における縦型ショートドラマ制作のような新たな試みや、eスポーツ事業への挑戦もこうしたDNAの表れの一つです。福岡市内のeスポーツ総合施設「esports Challenger’s Park(チャレンジャーズパーク、略称:チャレパ)」およびプロeスポーツチーム「QT DIG∞(キューティーディグ)」の運営を通じて、世代を超えて楽しめる新しい文化であるeスポーツの発展に貢献し、地域や多くの世代の皆さまとの繋がりを大切にしていきたいと思っています。

みんなで創る未来:若い力と、オープンな共創

当社は、NEO ACADEMIAの「福岡の地域創生を推進する次世代のリーダーを育成する」というビジョンに深く共感いたしました。そして、当社の「新しいことにチャレンジするぞ!」という想いと、若い皆さんが持っている「これ、面白いんじゃない?」というエネルギーが、きっと何か新しい化学反応を起こせるんじゃないかとワクワクしており、社内のリソースだけでは得られない刺激や視点があると感じています。この活動は、当社のDNAに大きな共通点があり、若い皆さんの力にもすごく期待しています。

今回、NEO ACADEMIAに参加されるU30の参加者の方々には、遠慮せずにご自身の志や想いを原動力に、まずは楽しんで学んでいただきたいと思っています。そして、福岡・九州を盛り上げるサービスや地方創生に関するアイデアを積極的に提案し、ゼロからイチを生み出すこと、周囲を巻き込むことに果敢に挑戦してほしいと期待しています。若い皆さんの行動力や発信力は本当に目を見張るものがあり、当社もそれを見習わなければと常に刺激を受けています。だからこそ、当社の若いメンバーも巻き込んで、一緒に何か面白いことを形にしていけたらと考えています。


そして、何より大切なのは「私だけ」が努力するのではなく、「みんなで」一緒に何かを生み出していくこと。色々な企業がそれぞれの強みやアイデアを持ち寄って、それをまた別の誰かが新しい形で活かしていく。そういうオープンな共創の中からこそ、一社だけでは思いもよらなかったような、本当に新しい価値が生まれてくると信じています。当社も、そのような輪の中心にいられるような存在でありたいですね。

私たちQTnetは、NEO福岡の皆さんのような若い力の発信力と行動力を全力で応援しながら、NEO ACADEMIAに参加される皆さんと一緒に福岡・九州で新たな波を起こすような取り組みを行っていきたい。それが当社の願いであり、挑戦です。

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