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西日本シティ銀行が見据える未来 – 地域密着と革新、若者と共に創る福岡

西日本シティ銀行が見据える未来 – 地域密着と革新、若者と共に創る福岡

西日本シティ銀行の変革を牽引するリーダー。「人との出会い」を原点に銀行員となり、金融危機下の現場で経験を積む。その後、人事や経営企画を経て、「業務革新室」に立ち上げから参画しDX化を主導。銀行員の枠に収まらない多彩なキャリアを糧に、現在は人事制度改革などの組織変革を推進し、地域と次世代と共に銀行の未来を創造している。

福岡・九州を基盤に、「地域の発展なくして、当社グループの発展なし」という信念のもと、新たな挑戦を続ける西日本シティ銀行。その変革の最前線に立ち、人事、経営企画、DX推進という多彩な経験を通じて銀行の未来をデザインする橋本氏。「最初の出会いで人間に惹かれた」という原点を胸に、既成概念にとらわれない発想で組織の進化を牽引します。

「銀行員の枠にとらわれない経験こそが、今の自分と銀行の可能性を形作っている」と語る橋本氏の確固たる信念、そして次代を担う若者たちと「共創」する未来への熱意とは。本インタビューでは、その独自のキャリア哲学と、変化を力に変えて未来を切り拓くビジョンに光を当てます。

次世代の柔軟な発想と情熱:未来を切り拓く原動力

私が銀行員としての一歩を踏み出したのは、ある方との出会いがきっかけでした。もともとは先に内定をいただいた別業界の会社に就職しようと考えていましたが、その会社で「これをやりたい」という思いが特になく、どこか漠然とした気持ちを抱えていました。

そんな時に、就職活動中に出会った当行の担当者。現在も一緒に仕事をさせていただく機会のある方ですが、その方の人柄に、言葉ではうまく言えないのですが、強く心を動かされたのです。理屈ではなく、「この方と一緒に未来を描いてみたい」と、そう素直に感じたことが私を銀行の門へと導いてくれました。その時の選択が今日の私に繋がる全ての始まりだったように思います。

厳しい現場こそが私の師、タフな経験が血肉となった

最初の配属は北九州でした。地元である山口県に少し近づいて、内心ホッとしたのも束の間、銀行員としての毎日は想像以上に大変でした。私が入った平成8年頃は、バブル経済が弾けた直後で、不良債権が膨らんだ銀行が経営破綻するなど、金融業界全体が激震に見舞われていた時代でした。

その後、法人営業として、熊本に転勤になったのですが、ここでもまた大きな試練が待っていました。当初は、右も左も分からない中でしたが、不良債権の管理や回収業務など、目の前の業務に必死で取り組んだことを覚えています。あの頃の経験は、非常に心苦しく、辛い経験でもありますが、今の私にとって大きな財産になっていると感じています。

常識を疑うことから、挑戦はいつもそこからだ

銀行員っていうと、いつかは支店長みたいなイメージがあるじゃないですか。私も最初はそんな風に思っていた時期もあったかもしれません。でも、私のキャリアは少し違っていて、営業を経験した後、人事部に長くいました。その後は経営企画。ここでは中期経営計画を作ったりしていて、これがまた本当に大変で(笑)。部下はみんなその道のプロフェッショナルばかり。その中でグループ長としてやっていくのは、正直、もがき続ける4年間でしたね。


でも、営業とは全く違う頭の使い方をするし、銀行全体をどう動かしていくか、どう変えていくか、そういうダイナミックな仕事の面白さに目覚めたのもこの頃です。

そして、次に立ち上げたのが「業務革新室」。銀行って、昔ながらの紙文化がすごく根強いんです。それを変えて、仕事のやり方そのものを見直そうっていう部署でした。この経験が、今、企画グループで人事制度も含めていろんなことを変えていく上で、ものすごく活きています。振り返ってみれば、「支店長より面白い仕事ができたかな」って、自分ではちょっと思っています。

地域のために何ができるか、それが私たちの変わらぬ原点

私が働く西日本シティ銀行は、もともと地域の皆さまに育てられてきた銀行です。2004年に「西日本銀行」と「福岡シティ銀行」が合併して誕生した西日本シティ銀行は、どちらかといえば地域の中堅・中小企業のお客様と一緒に歩んできた歴史があるんです。だから、「中小企業支援」や「スタートアップ支援」には特に力を入れています。

10年ほど前にホールディングス体制になって、銀行だけじゃなく、証券会社やリース会社、それにITの会社もグループに加わりました。これって、地方銀行では結構珍しいんですよ。例えばDXを進めるにしても、グループ内にITの専門部隊がいるのは大きな強みです。
最近は、銀行業界以外からの中途採用も積極的に行っています。デザイナーさんとか、本当にいろんなバックグラウンドを持った人が入ってきてくれていて、会社の雰囲気も少しずつ変わってきているのを感じますね。いい意味で「銀行らしくない」柔軟さが生まれてきているんじゃないかな。

NEO福岡への参画:次世代の夢に火を灯す

今回、NEO福岡のような若い人たちが集まる取り組みに銀行として関わらせてもらうことになったのは、私自身、若い人たちが金融や銀行に対してどんなイメージを持っているのか、すごく興味があったからです。
今は、スマホ一つで何でもできる時代ですから、普段の決済はネット銀行の方が便利だって思う若い人も多いでしょう。それはそれでいいんです。でも、人生って長いですから、家を建てたり、車を買ったり、あるいは起業したり、そういう大きなライフイベントの時には、きっと私たち地元の銀行がお手伝いできることがあるはず。

だからこそ、若い世代の皆さんに、もっと早くから「金融リテラシー」みたいなものに触れてもらう機会を作りたい。難しい話じゃなくて、将来自分にかかってくるお金のこととか、ライフプランを考えるきっかけとか。そういうお手伝いができたら、銀行としてもすごく嬉しいですね。

若者たちへ:君こそが新時代の開拓者

最後に、これから社会に出ていく、あるいは既に頑張っている若い世代の皆さんに伝えたいのは、「とにかく、20代のうちにしかできない経験をたくさんしてほしい」ということです。いろんな人と出会って、いろんなことに挑戦して、時には失敗もして。そういう経験の一つひとつが、絶対に将来の自分のキャリアや人生を豊かにしてくれるはずですから。

私自身、最初の「人との出会い」がキャリアを大きく変えました。だから、皆さんも人との繋がりを大切にして、思いっきり楽しんで、いろんなことに積極的にチャレンジしてほしい。私たちも、皆さんと一緒に何か新しい価値を生み出せることを楽しみにしています。

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