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常識を覆す挑戦と、未来への「面白い」の追求

常識を覆す挑戦と、未来への「面白い」の追求

1985年に九州産業大学経済学部を卒業後、新コスモス電機株式会社で社会人としてのキャリアをスタート。その2年後の1987年、25歳の時に父親が創業した株式会社明治産業に入社し、1999年9月には37歳の若さで同社の代表取締役に就任。就任後は、主力のLPガス事業に加え、プロパティマネジメントやリノベーション事業へと積極的に多角化を進め、会社を大きく成長させた。「遊ぶように楽しく働きたい」という独自の理念のもと、アートやAIの導入など、ユニークで新しい経営手法を取り入れている。

福岡を拠点に、不動産賃貸・管理からリノベーション事業、さらにはテクノロジーを活用した新たな価値創造に至るまで、時代の半歩先を読み、「人がやっていない面白いこと」を追求し続ける企業、株式会社明治産業。その革新的な取り組みを25歳という若さで率い始め、独自の哲学と行動力で業界の常識に新風を吹き込み、次々と新しい事業や社会貢献活動を展開してきた明永社長が「挑戦は日常」と穏やかに語るその言葉の奥には、どのような揺るぎない信念と未来への鮮烈な展望が広がっているのか。今回は、その思考の深淵に触れ、ユニークな経営観の核心に迫ります。

「挑戦」は日常、人がやらない「面白い」を追い求めて

挑戦という言葉は、私自身の中ではあまり意識的に使ってこなかったかもしれません。25歳でこの会社の経営を担うようになって以来、日々の業務の中で新しいことに取り組むというのは、本当にごく自然な流れとして経験してきたものですから、これが特に挑戦だったというような明確な意識は正直あまり持ち合わせていないんです。

ただ、まだ誰も手をつけていないようなことって純粋に「面白そうだな」って感じませんか。皆さんが「これは一体どうなるんだろう?」と少し遠くから見ているような、まだ誰も足を踏み入れていない新しい分野に、なぜか心が惹かれてしまうんです。そんな気持ちで、これまで色々なことに取り組んできたものですから、もしかすると周りの方々からは、「明永さんはいつも何か新しいことをやっているね」なんて風に見ていただけているのかもしれませんね。

海外で感じた社会貢献の差、福岡で「自分がやる」と決めた理由

仕事柄、海外の主要な都市へ足を運ぶ機会がこれまで結構多くあったんです。その中で、特に社会貢献活動とかフィランソロピーといった分野になると、欧米の企業や個人の方の意識の高さにいつも感銘を受けると同時に、当時の日本との間には少し差があるのかな、なんてことを感じていました。もともと、私の育った家庭環境もあってか、社会貢献というのは何か特別なことではなくて、むしろ社会の一員としてごく当たり前に取り組むべきことだ、という風に考えていたんです。でも、実際に自分が社会に出て、ビジネスの世界に身を置いてみると、特に中小企業なんかでは、まだそういった意識が十分に根付いていないのかな、と感じることが多かったんですよね。

これはもう、誰かにやってもらうのを待っているんじゃなくて、自分にできることは小さいかもしれないけれど、まずは自分自身が福岡のために何かを始めてみようと、そんな風に思ったんです。誰かを説得して動かすというよりは、まず自分が率先して行動で示していく。そういうスタンスで、少しずつですができることから着実にやってきた、という感じですね。

古いビルを蘇らせるリノベーション:常識を覆した最初の「面白い」

会社の事業の中で、「これは面白かったな」と思える取り組みで言うと、もう30年近く前になるんですが、リノベーション事業を始めた時のことでしょうか。当時、福岡では古いビルというと、もう解体して新しく建て替えるのが普通というような風潮だったんですよ。でも、よくよく見てみると、場所はすごく良いところにあるのに、もったいないなあって。海外に目を向けると、築100年以上の建物が素敵に活用されている例がたくさんありますからね。

そこで、これらの古いビルを壊してしまうんじゃなくて、リノベーションして、その歴史が醸し出す雰囲気を逆に魅力として打ち出したら、きっと皆さんに喜んでもらえるんじゃないかなって思ったんです。それで、ビルのオーナーさんを説得して、事業をスタートさせました。たぶん、福岡ではそういった本格的なリノベーションは、私たちが先駆けだったんじゃないかなと思います。結果はありがたいことに、すぐに満室になって、しかも新築の物件と同じか、場所によってはそれよりも少し高いくらいの家賃で、皆さん本当に喜んで入ってくださったんです。あれは、業界の常識を少し変えられたかなという意味でも、私にとっては忘れられない「面白い」挑戦でしたね。

テクノロジーで不動産の未来を、そして「今ないもの」への飽くなき探求

不動産の管理業務についても、以前は「うーん、もうちょっと何とかならないかな」って思うような、非効率な部分が結構あったように感じていたんです。もっと良くできるはずだし、もっと入居者の方に喜んでもらえるやり方があるはずだって。そこで、思い切って管理会社を買収しまして、私たち自身の手で、もっと入居者の方の気持ちに寄り添った、質の高いサービスを提供し始めたんです。入居者の方が入れ替わった方が、仲介手数料とかで儲かる、なんていうのは、ちょっと短期的な考え方でそうじゃなくて、どうすれば入居者の方に長く、そして心から快適に住み続けてもらえるだろうかということを真剣に考えて、必要な改善を地道に、そしてコツコツと重ねていく。そういう当たり前かもしれないけれど、すごく大切なことを、きちんとやっていこうと。

これから特に力を入れていきたいな、と思っているのは、やっぱりテクノロジーの活用です。不動産業界だけじゃなくて、いろんな分野で、もっともっとテクノロジーを上手に使うことで、世の中全体がもっと便利に、そしてもっと豊かになるんじゃないかなって信じているんです。例えば、AIを使ったスマートホームとか、そういうのもすごく面白いですよね。物件の適切な家賃とか売買価格を、AIが客観的に、しかも高い精度で予測できるようになったら、不動産の取引ももっと透明になって、皆さんにとっても安心材料になると思うんです。顔認証システムみたいなセキュリティ技術も、もっと精度が上がって、もっと自然な形で使えるようになったら、私たちの暮らしはもっと便利で安全になるに違いありません。そういった、まだ世の中にないような新しい技術とか、革新的なサービスを持っている企業さんがいらっしゃれば、積極的に一緒に何かをやったり、場合によっては仲間になってもらったりすることも含めて、これからもどんどんチャレンジしていきたいなと思っています。

NEO福岡への共感:「今ないこと」への挑戦を、ただ応援したい

今回、NEO福岡さんの取り組みを応援させていただいている理由を正直に言うと、この取り組みが最終的にどういう素晴らしい形になるのかとか、それによって私たちの会社に何か具体的な事業上のメリットがあるのか、といったことはあまり深くは考えていなかったんです(笑)。

皆さんがこれまで世の中になかった新しいこと、純粋な情熱を持ってチャレンジしようとされている姿勢や

まだ誰も手につけていないような面白いことに挑む、その根底にある価値観や想いに深く共感しています。

よく「見返りを求めないのはどうしてですか?」なんて不思議そうに聞かれることもありますが、私としては、特に何か見返りを期待して行動しているわけではないので、ごく自然なことなんです。それが私のやり方と言いますか。

若者たちへ:「今ないもの」に、自分で考え、果敢に飛び込め

やっぱり今、この世の中にまだ存在しない新しいことに思いっきりチャレンジしてくださいということに尽きるかなと思います。誰かから「こうしなさい」って言われるのを待っているんじゃなくて、まず自分自身の頭で、とことん考え抜く。そして、そこで生まれたアイデアを自分自身の手で失敗を恐れずにどんどん行動に移していく。

今までやったことがないから不安だなぁとか、最初の一歩がなかなか踏み出せないんだよなぁとか、そういう気持ちになる方も、もちろんいると思います。でも私からするとそういった不安を感じるよりも、どうやったら、この面白そうなアイデアを実現できるんだろう?って考えるワクワク感の方がいつもずっと大きいんですよね。

そして、実際に一歩を踏み出して動き始めてみると、だんだんその動きが周りの人を巻き込んで、大きなうねりになっていくのが実感できるはずなんです。それはまるで、サーフィンで大きな波を捉える瞬間の、あの何とも言えない高揚感に似ているかもしれませんね。一人で小さな波にちょこちょこ乗るのもいいけれど、たくさんの仲間と一緒に大きな波に挑む方が、きっと何倍もエキサイティングで、得られるものも大きいはずですから。

ですから、あまり頭でっかちに難しく考えすぎることなく、まずは一歩、勇気を持って踏み出してみてほしいんです。そして、その挑戦のプロセスそのものを、心の底から楽しんでいただきたいですね。たとえ失敗したっていいんです。そこからまた何か新しい「面白いこと」が見つかるかもしれませんから。

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