2023.11.24

建物はその場所に残り続ける。どう活かすかを考えたい。

少数精鋭で高品質のゼネコン・創伸建設が目指す道と北海道イエロースターズの構想との共通点とは?

岡田 吉伸(おかだ よしのぶ)
株式会社創伸建設 代表取締役社長
1981 年札幌生まれ。日本大学を卒業後、大手ゼネコンに就職。15年勤務の後札幌に戻り、住宅建設業を営む親の跡を継ぐが、自分の経験を活かし会社をゼネコンとして牽引する。豊平川を活かしたまちの魅力づくり活動にも熱心に取り組む。(株)再創CEO、(株)川見COO。

事業について教えてください

弊社は建設業です。建設というと戸建住宅を思い浮かべる方も多いのですが、分譲マンション等の大型集合住宅、商業施設・ホテル・病院等の大型施設の建設を中心に手掛けるのが、「ゼネコン」と呼ばれる仕事です。 僕は大学を卒業し新卒でゼネコンに入社しまして、およそ15年間色々と経験を積ませてもらいました。その後、住宅建設を営んでいた親の後を継ぎました。会社は1990年に父が創業し、私が社長になったのは3年前で、自分の得意領域で打って出ようと前職の仲間を引き入れまして、業容を拡大していきました。

これまでの経験を活かして、予算や時間の管理などに独自のフローチャートを活用したり、技術力の高い協力会社さんたちと契約を結んだり、また自社の施工基準を設けて全社員が施工管理のポイントなどを共有し担当者が変わってもあらゆる建物に品質が保証することができたり、そんな強みを持つ会社です。現在社員は10数名ですが、札幌市の競争入札参加資格では、何十名もの従業員がいる地場のゼネコンと同格の「Bランク」に認定されました。

北海道イエロースターズとどんな出合いを?

北海道イエロースターズには、大学の後輩である三五工務店の田中社長に誘われたのがきっかけで、話を聞いてみました。試合や練習などスポーツチームの活動以外にも、廃校を活用したまちづくりの構想などが語られ、地域経済の活性化を目指していることに共感しました。建設業としてこれを応援しなければ、という使命感に駆られまして、以来関わらせていただいています。

今後やっていきたい事は?

当社の企業理念は「ホンモノを創る」。大型建築とは、地域の誰もが知っていて、ずっとその場所に残り続けるものをつくっている仕事です。そんな建築物に対し責任があると思っています。責任を果たすには、会社がつぶれるわけにいかないですし、株式会社である以上成長も求められます。そうした中でプラスアルファを考え続け、新しいビジネスを生み出しながら、100年企業を目指したいと思っています。

建物には、継続することで生まれる価値があります。道内各地にたくさん残る古いレンガ造りなどの倉庫や建物を、我々がリノベーションして新しい価値を創り出したいですね。イエロースターズの廃校を活用したまちづくりという構想もこれに通じていると感じていて、深く関わりたいと思います。 また次の世代を担う子どもたちにも、この建築業界に少しでも興味を持ってもらいたいと思い、子ども向けの現場見学会を開催するなどしています。 ほかにも、僕も仲間たちとまちづくり活動をやっているのですが、札幌という地方都市には個性がない、と感じる人が多くいます。どうやったらもっと良いまちになるのか?と考えた時に、その種は案外足元にあって、気づいていないことがあります。

世界的な大都市には大体街の中に素敵な川が流れていて、今も観光などに活かしています。ですが、札幌にはど真ん中に豊平川が流れているのに、全くといえるほど活用されていません。そこで、春に桜の開花を楽しむ「花見」があるなら、夏は「川見」があってもいいと思い立ちました。それが札幌発祥の文化となるよう、幌平橋の豊平川河川敷で2017年から、川遊びや川辺でのんびり開放的に過ごすイベントを行っています。2022年は8月に5日間開催して、約16,000人が来場しました。このような取り組みを北海道イエロースターズとリンクさせて、より地域を盛り上げて行きたいと思います。

株式会社 創伸建設
1990年に札幌で住宅建設業として創業。2018年以降は大型施設の建設にシフトし、商業施設、宿泊施設、病院、超高層ビル、分譲マンション、工場、福祉施設等、民間の新築・改修工事や、公共工事を行っている。スーパーゼネコンなど大手と仕事をしてい る一流の専門工事会社とパートナーシップを締結しているほか、従来は、人の経験や勘に頼りがちだった施工管理の業務を見える化、基準化し、かつ管理ポイントや過去の失敗例などの全社員共有により、どの社員が担当しても 大手ゼネコンと同等の高い品質を低コストで実現できる少数精鋭体制を整備。その信頼性の高さは、少人数の会社でありながら、地場ゼネコンに相当する「B ランク」 認定に表れており、現在東北や関東からも依頼が増えている。