2023.11.24

地域の中小企業経営者として、やるべきことを見極めたい

急成長中のシステム開発会社・フィーリストが、 北海道イエロースターズの株主に参加。

吉野 俊文 (きの としふみ)
株式会社フィーリスト 代表取締役社長
1981 年札幌生まれ。札幌啓成高等学校卒業後、公務員として就職。その後、飲食店店長などを経て、24 歳の時にIT業界へ転身する。IT企業で10年間、エンジニア経験などを積み、独立し2015 年株式会社フィーリストを設立。

事業について教えてください

当社は、システム開発をメインとす る会社です。主に大手の請負が多く、事業の要はニアショア事業(人件費の安い海外へ自社業務を委託・移管するオフショアに対し、国内地方都市へ委託・ 移管するのがニアショア)で、いわゆる東京や大阪の仕事を札幌で請けています。ほかにも、地元の仕事を直接受けています。地元は4割、関東圏の仕事は6割でしょうか。現在は、札幌、仙台、京都、福岡、新潟に拠点を置き、東京の仕事を各地で進めていて、ウェブのシステムアプリやスマートフォンアプリなど、いろいろ手がけています。

「お客様と社員の幸福を追求する」を経営理念にしていますが、来年度は特に「社員の幸福」と言う点に注力していきたいと考えています。いろんな企業や社会の中における自分の会社の優位性を考えたとき、今後は少子高齢化で働き手が必ず少なくなっていくわけですが、そうなると資本力がある大手だけが勝ち残るという時代に入り、うちのような中小企業が続いていけるのか?と思われがちです。でもそうではなく、中小企業しかない優位性というものもあるわけです。その優位性を生かすことが、心身ともに健康であって長く働ける社員の幸福につながっていくのではないかと考えています。当たり前のことかもしれないですが、会社としてできているところは少ないと思うのです。そこに力を入れたい。

一昔前のIT企業とは労働環境がかなり変わってきています。月の残業時間平均は10 時間を切っており、1日の労働時間は8.5時間程度になり、業界自体の環境がかなり良くなっています。社員数は全国で119名、そのうち札幌は70名ちょっとで、交代勤務しています。

北海道イエロースターズとどんな出合いを?

チームの存在は知っていたんですが、ゲームを見に行った事はなかったのです。共同代表の平野さんとは、7~8 年前に僕が地元経済誌に取材された記事を平野さんが見て、平野さんから連絡をもらって会いましたから、平野さんが独立される前からのお付き合いです。独立されてからは、北海道イエロースターズの共同代表になったと聞きましたが、再び「会いたい」と言うお声がかかりました。それで、北海道イエロースターズの今の経営状況とか、今後の方針とかを聞いてみて、「ズレた話ではない。これならいけるんじゃないか」と思い、こうして関わることになりました。

今後やっていきたい事は?

当社は、ほかにもスポーツチームのパートナーになっていますが、そちらの業界は成熟しきっていて、どう関わっていいのか、僕にはイメージが湧きにくかったわけです。でも北海道イエロースターズの場合、「まず北ガスアリーナの座席を埋めたらいい」とか「無料招待をまず増やそう」とか「生ビールのサービスをやろう」とか、いろいろ頭に浮かんできたんです。それで興味を持ってくれそうな経営者のみなさんを呼んで、ひと口いくらの年会費をもらえればいけるなと思いました。

僕の場合、スポーツが好きというよ り、経営の方をつい気にしてしまいます。ただ、チケットは社員に渡し、観戦に行ってもらって、とても喜んでもらいました。僕は、元々いろいろなことをやってしまうたちでして。社内では床に人工芝を敷いたり、ドリンクを格安自販機にて提供などもありますし、不動産事業とか、本社が入居するビルの2階の居酒屋の経営も始めているし、周りからするとまた何か始めたのか?と思われていますね。

不動産事業は、2021年3月に不動産会社「(株)ランエステート」を設立して、不動産を所有し賃料収入を得るオーナー業をはじめました。会社の安定収入の確保もありますが、大きな理由は、社宅を用意したいと思ったことです。居心地がよくてセンスのいいマンションの社宅で、しっかりリフレッシュしてもらいたいです。 居酒屋というのは、2020年12月に老舗の「北海道海鮮炉端居酒屋よいところ」を取得して、昼は社員食堂として無料で昼食を提供しています。 今後も「社員の幸福」に力を入れながら、より強い会社を作っていきたい。そう思っています。

株式会社フィーリスト

2015年に創業し7年で社員 112 名へと拡大する成長中のシステム開発会社。首都圏の案件を地方にて支援する「ニアショア開発」 により、電子商取引プラットフォーム開発、老人介護施設検索サービス開発、介護求人サイト開発、動画配信サイト構築、電子書籍ストア開発、銀行向けスマートフォンアプリ開発などを手掛けてきた。首都圏における要員確保、常駐型のコスト、自然災害等など近隣の開発体制では避けられないリスクに対する回避策として、 受注案件が拡大。全国の地方都市に拠点が広がっている。道内のWEB 制作や各種システム開発(LTE/5Gコアネットワークシステム開発・インフラ構築・検証、会計システム開発、生産管理システム開発、デリバリーサービス開発、ブラウザゲーム開発の案件も請け負う。