2024.07.02

【イベントレポート】未来創造会議 in 北海道 -日本を変える男と考える北海道の未来-

2024年6月21日、「スポーツ × 地域創生」をテーマに、北海道で活躍する経営者やビジネス・地域活性化に興味を持つ学生たちが一堂に会して、北海道経済ひいては日本経済の未来を考える「未来創造会議 in 北海道」がホテルマイステイズ札幌プレミアパークにて開催されました。本レポートは、このイベントで語られた北海道活性化の道筋や可能性を伝え、そのムーブメントを日本中に広めるための記録です。

「北海道創生」を担う参加者たちの出会い

平日のお昼にもかかわらず、様々なバックグラウンドを持つ経営者や学生たちが続々と来場。総勢80名の参加者たちは、年齢や所属に関係なく1つの卓を囲んで会話を弾ませ、開始前から熱気に溢れていました。

△開始前の会場の様子

イベントは株式会社スポーツネーション代表取締役の三木 智弘による開会挨拶から始まりました。

△開会挨拶を行う三木 智弘(株式会社スポーツネーション 代表取締役)

伝説の経営者が語る、北海道から広がる無限の可能性と成長への道筋

本編は、日本を代表する経営者である千本 倖生 氏による基調講演からスタート。千本氏は稲盛和夫氏らとともに第二電電(現 KDDI)を共同創業し、その後、イー・アクセス、イー・モバイルを立ち上げ、両社の事業拡大を長きにわたり牽引されてきました。また起業家・実業家でありながら教育者としての顔も持ち、カリフォルニア大学バークレー校やスタンフォード大学客員フェローなどを歴任するなど、世界中で多数の実業家の育成・輩出に尽力されています。

大きな拍手で迎えられた千本氏は、にこやかに壇上に立ち、冒頭から教え子であるサムスン電子前会長の李健熙氏を例に出し、「彼はわずか18年でサムスン電子を世界18位から世界最高の会社にした。つまり、1人の若者がものすごいリーダーシップを持って、サムスンを引っ張っていったんだよね。これが今日のポイントでもある。」と力強いお話。あっという間に会場のボルテージが上がります。

「Boys Be Ambitious」は「大志を抱け」という優しい翻訳ではなく、「もっと野心的であれ」という挑戦の意味合いを含んでいるそうで、北海道が持つ地理的・資源的なポテンシャル、そして何よりも元来あった開拓使スピリッツが、現在全く活かせていないという千本氏。

1ヶ月に数カ国を周り、世界的企業の重役たちとの会談をされている千本氏は、「北海道ひいては日本の未来を本当に変えたいのなら、今すぐに行動する。世界を自分の目で見て歩く。今度ではなく、明日から。こうした行動力の積み重ねからしか日本を成長させる大きな会社は生まれない。」と、参加者たちに檄を飛ばします。

北海道が持つ大きな可能性
そしてそれらを開拓し、経済に還元するために欠かせない姿勢。

力強い言葉で紡がれる北海道の未来に、参加者たちは「期待を膨らませると共にそれを牽引するのは自分たちなのだ」と、そう言わんばかりの表情で聞き入っていました。

続く質疑応答の時間では、「何かやらなきゃとは思うけれど、将来やりたいことが見つからない」という学生ならではの等身大の悩みや、「千本氏おすすめの書籍は何か」といった質問に、軽快なトークを交えながらも真剣にお答えくださいました。

△メモをとりながら聞き入る参加者の皆さん

△質疑応答の様子

当事者たちに聞く、「スポーツ × ⚪︎⚪︎ =まちづくり」の方程式から創る北海道の未来

第2部では今、急成長産業として国策にも取り入れられているスポーツ市場と民間企業がどのようにコラボしていくのか、そしてスポーツ市場が地域創生においてどのようなシナジーを生み出していけるのかについて、北海道を拠点にスポーツを取り入れながら事業展開を最前線で進める、株式会社三五工務店の田中 裕基 代表取締役と株式会社Ambiの金原 稔幸 代表取締役をゲストに迎えて、株式会社スポーツネーション 三木 智弘 代表取締役がモデレートしながらトークセッション形式で行われました。

「北海道ボールパークFビレッジを有する北海道はスポーツを活用したまちづくりの最先端を走っている」という三木氏の力強い導入から始まったセッション。1人目のゲストである株式会社三五工務店の田中氏は、北海道イエロースターズの取締役、コンサドーレ札幌のスポンサー経験のほか、北海道ボールパークFビレッジ内の商業木造建築を手掛けるなど様々な形でスポーツを使ったまちづくりに取り組んでいます。

「北海道ボールパークFビレッジを有する北海道はスポーツを活用したまちづくりの最先端を走っている」という三木氏の力強い導入から始まったセッション。1人目のゲストである株式会社三五工務店の田中氏は、北海道イエロースターズの取締役、コンサドーレ札幌のスポンサー経験のほか、北海道ボールパークFビレッジ内の商業木造建築を手掛けるなど様々な形でスポーツを使ったまちづくりに取り組んでいます。

こうしたお二人をゲストに迎えたトークセッションでは、「なぜ北海道なのか?」「なぜスポーツなのか?」という側面を中心に掘り下げました。

スポーツを活用しながら様々な地域創生に取り組むゲストお二方の爆発的なエネルギー。様々なステークホルダーを巻き込む活動の難しさについて問われた際には、「20回断られてからが勝負」といった、凄まじい行動量が伺える発言も飛び出しました。こうした熱量は会場全体を席巻し、何らかの形で北海道に貢献したいという思いを持つ参加者の皆さんと共鳴していました。

△熱心に話を聞く参加者の皆さん

参加者の声(アンケート)

・「事業=利益を出すものという考えが覆されました。民間が中心ですが、地域とともに動くことで、やりたいことをするというのが、とても良いと思います。」(大学生)

・「北海道に貢献したい。今よりも広い視野と志で先(未来)を考える必要があると思いました。鳥肌が立ちました。」(会社経営者)

・「地元企業にもこんな素晴らしい会社があることに気付かされました!ご縁ができてよかったです。」(大学教員)

・「経営者の方々の考え方を聞けてとても参考になりました。スポーツを通じたビジネスの展開に興味があったのですが、さらに自社としてもどう貢献できるか考えていきたいと思いました。」(会社経営者)

総括

今後の北海道の未来を創ることに興味を持つ多くの参加者にとって、最前線で活躍する経営者たちの世界や行動力に触れ、同じ考えの仲間に出会うことでシナジーを得る本イベント。「同じ志の仲間と共に、自分たちの行動によって北海道を盛り上げていくのだ」と意気込む参加者の方も多く見られた会となりました。

今後の予定

スポーツをハブとした地域応援コミュニティ「NEO」は、立ち上げ準備に伴い定期的なMeet Upを開催いたします。「NEO北海道」の最新情報はこちらから

イベント登壇者情報

千本 倖生 氏

連続起業家、実業家、教育者。日本電信電話公社(現 NTT )を経て、稲盛和夫氏らと第二電電 (現 KDDI )を共同創業。その後、イー・アクセス、イー・モバイルを立ち上げ、両社の事業拡大を長きにわたり牽引し、孫正義氏に事業売却。シリコンバレーのエクセレントカンパニーの取締役やトムソン・ロイター発起人会社理事を務めたほか、カリフォルニア大学バークレー 、スタンフォード大学客員フェロー等を歴任。豊富な起業・マネジメント経験と幅広いネットワーク、経営哲学で世界中の多数の実業家の育成や輩出に尽力する。

田中 裕基 氏

株式会社三五工務店 代表取締役
1982年札幌市生まれ。大学で建築を学ぶも、卒業後は飲食業界に飛び込み、コンサルティング会社に4年勤務後、 2009年に三五工務店に入社。2020年に代表取締役社長に就任。「 Make Happiness 私たちは、暮らしづくりを通して幸せを創りだす」ことを経営理念とし、地元の活性化に貢献。北海道ボールパーク Fビレッジ一部施設の設計・施工やテニスの国際大会の誘致、北海道スポーツへの協賛を通して、地域と企業の価値向上に積極的に取り組む。

金原 稔幸 氏

株式会社Ambi 代表取締役
日本で生まれ、8歳から26歳までアメリカで過ごす。カリフォルニア州立大学フラトン校在学中に、医療ツーリズム会社を設立し、起業後4年目で売却。2022年に株式会社Ambiを設立し、北海道北広島市、北海道日本ハムファイターズ、北海道大学等と共に事業を展開中。株式会社Ambiでは世界初の睡眠保険を開発して、うつ病や他の病気をこの世からなくすことが夢である。

三木 智弘

株式会社スポーツネーション 代表取締役
現在東京大学経済学部4年。23歳の時に、男子バレーボールチーム「サフィルヴァ北海道」の経営再生を任され、代表取締役に就任。2030年に「北海道にスーパーシティを創ること」を掲げ、3年半で売上を30倍にV字回復させる。また、「北海道イエロースターズ」へ改名後の2023-24seasonには、2部リーグ優勝を果たし、「5年で日本1のチームにする」という目標を実現。
現在はプロスポーツチームをハブとして地域経済を活性化させるコミュニティプラットフォームを運営し、クラブや地域企業の経営課題の解決に挑んでいる。ミッションは「応援する力を経済に還元しよう」