2025.03.26
NEO北海道応援カイギ04北海道で挑戦する人集まれ!NEO北海道応援カイギ
- イベントレポート
- 北海道
イベント概要
2025年3月26日(水)に、NEO北海道応援カイギ#04を開催いたしました!
第4回目も引き続き「Deep Tech CORE SAPPORO」に場所をお借りして開催。
第4回目では、「教育」「福祉」「地域づくり」といった多様な現場で実践を続ける登壇者たちを迎え、誰もが自分らしく生きられる社会のあり方について考える時間となりました。地域に根ざした活動や、子どもたちとの関わりを通して見えてきた課題、そしてそれに対する具体的なアクションが共有され、参加者それぞれが“支援とは何か”を見つめ直すきっかけとなりました。登壇者たちは、世代や立場を超えたつながりを育みながら、「誰も取り残さない社会」を目指し、日々挑戦を続けています。「応援とは、まず知ること」「できるときに、できる人が無理のない範囲で関わること」など、実践の中から生まれた言葉の数々が心に残る、温かくも力強いイベントとなりました。
応援トーク
①株式会社すみか 代表取締役 月館 海斗 氏
月舘さんのお話のキーワードは「教育関係人口1億人」
今回のイベントでは、教育関係人口1億人を目指す「自称:教育DJ」として活躍する月舘海斗さんをお招きし、そのユニークなキャリアと教育への情熱についてお話しいただきました。
月舘さんは、「面白い大人と学生をつなぐことで、教育をもっと面白くしたい!」という想いから、転職を経て起業の道へ。最近は教育を学ぶためにフィンランドにも渡航しましたが、最終的には「やっぱり日本の教育がいい」と実感したそうです。
現在は自社の経営をしながら「探求コーディネーター」として、探求学習が始まった学校現場で、多様な大人と出会える機会を創出。企業と学校をつなぐ企画を行ったり、高校生と一緒にプロジェクトを立ち上げ実行したりするなど、先生の負担を軽減しながら、教育現場に新しい風を吹き込んでいます。
目指しているのは、「教育関係人口1億人」。多くの人が教育に関わることで、誰もがハッピーになる社会を実現したいと語ります。
また月舘さんは、自らの失敗や挑戦を通して得た学びをもとに、「行動を伴わない言葉は心をすり抜ける」という信念を持ち、実際に行動することの大切さを強調。「100日チャレンジ」を通じて、コツコツと続けることの価値や自身の成長を実感し、日々チャレンジを続けています。
「やってみたいこと、ドキドキすることを大事にしたい」と語る月舘さんは、コロナ禍でやりたいことができなかった経験を経て、思い切って先生を辞め、新たなステージへと進みました。現在は、先生を応援することに焦点を当てたサービスを展開。さらに、不登校の相談が増えている現状を受けて、高校生向け・中学生向けの通信制高校も立ち上げようとしています。
常に挑戦し続けるその姿勢に、多くの参加者が刺激を受ける時間となりました。
ぜひみなさんもSumika Academyへ!
2人目のゲスト
②一般社団法人ユアセル 代表理事 高橋 智美 氏
髙橋さんのお話のキーワード「孤立ゼロのまちを目指して」
今回のイベントには、「誰もが自分らしく過ごせる地域づくり」をテーマに活動を続ける高橋智美さんが登壇。医療の現場から地域づくりへとフィールドを移したその歩みと、地域に根ざした実践について語っていただきました。
もともとは病院に勤めていた高橋さん。コロナ禍をきっかけに「このままでいいのか?」と自らの働き方や生き方を見つめ直し、札幌に移住。その後、栃木県のある団体と出会ったことを機に、同じような取り組みを北海道でも実現したいと決意し、起業に踏み出しました。
現在は「何歳になっても自分らしく」をキーワードに、地域の課題に向き合いながら、すべての人が暮らしやすい街づくりを目指しています。特に力を入れているのが「孤立・孤独」の問題。日本では国民の約4割が孤独を感じているといわれる中、世代を問わず支え合える仕組みづくりに取り組んでいます。
高齢者は介護保険サービスなどの支援が比較的整っている一方、若い世代は支援が少なく孤独を感じやすい傾向にあると語る高橋さん。そこで彼女の活動では、高齢者や若者のサポートを同時に行う仕組みを構築。たとえば、札幌市内2ヶ所で展開している「フリースクール」では、月に一度の子ども食堂を併設し、食事とともに学習支援も提供しています。
また、地域活性化事業では、料理教室やスマホ教室など、世代を超えた交流が自然と生まれるようなイベントを多く企画。若者が高齢者にスマートフォンの使い方を教えるなど、相互に学び合う場を創出しています。
とくに印象的だったのは、「応援とは、まず“知ること”」という高橋さんの言葉。「できるときに、できる人が、無理のない範囲で関わっていける社会にしたい」と語り、多くの人が気軽に関われるしくみの重要性を強調しました。
子どもたちの未来をつくるために、そして誰もが孤立せず安心して暮らせる地域を目指して——
高橋さんの想いと行動に、参加者一人ひとりが深く共感する時間となりました。
3人目のゲスト
上士幌町教育委員会/一般社団法人ねづく 教育魅力化コーディネーター 中津 茜 氏
中津さんの夢と地域おこし
「すべての子どもたちに応援が届く社会をつくりたい」と語る中津茜さんにご登壇いただきました。地域おこし協力隊として北海道・上士幌に移住し、現在は学校魅力化推進委員として不登校支援や居場所づくりに取り組んでいます。
中津さんが教育の世界に関心を持ったきっかけは、大学時代に関わったボランティア活動。「カタリバ」というイベントに参加し、生徒と対話を重ねる中で、教育の奥深さとやりがいを実感。次第にそれが将来の仕事として心に根づいていきました。
やがて、家庭環境に悩む子どもが多い現実を目の当たりにし、「変えられない環境の問題を、変えられる人間になりたい」と児童養護施設へ就職。住み込みで4年間、子どもたちと生活を共にする中で、「すごいところにいたんだね」とよく言われたそうですが、本人は「応援する大人がたくさんいた」と振り返ります。子どもたちが社会に出る時に本気で考えてくれる大人の存在に、自分もその一人になりたいと強く感じたそうです。
しかし一方で、「福祉につながれない子どもたち」がいることにも気づきます。そうした子どもたちに、どれほどの応援が届いているのだろう?という問いが、中津さんを再び動かしました。そして選んだのが、上士幌での「学校魅力化推進委員」という道。不登校の子どもや困り感を抱える生徒の相談員として、学校外での居場所づくりや、町外の大学生との交流を通して支援の輪を広げてきました。
学校の仕組みだけでは対応しきれない葛藤や、「自分の支援が逆に子どもを苦しめたのでは」と思い悩む瞬間もあったと言います。けれど、まなびの広場で出会った不登校の子どもがかけてくれた言葉に、深く救われたといいます。
「高校は楽しかった。友達もできた。でも体調が悪くて行けなくなった。けど、仕事をしてる。だから、こうして話せて嬉しかった。」
その一言が、「話せる相手がいれば、きっと一緒に進んでいける」という信念につながり、現在も上士幌に残って活動を続ける原動力になっています。
これから中津さんが目指すのは、地域の中に「複合的な居場所」をつくること。シェアキッチンやシェアスペースを通して、通信制高校に通う子どもたちのサポートを強化し、誰もが自然に“支援者”になれるようなしくみを生み出したいと語ります。
一人ひとりの声に耳を傾け、静かに、でも確かな歩みで社会を変えようとしている中津さんの姿に、感動しました。
振り返り・ご案内
今回のイベントでは、教育や地域に深く関わる実践者たちが登壇し、「人とのつながり」や「支援のあり方」について、それぞれの経験を通して語りました。
登壇者たちに共通していたのは、目の前の課題に対して「何かできることはないか」と行動し続ける姿勢です。コロナ禍をきっかけに自分の働き方や生き方を見つめ直し、起業や地域への移住を選んだ人。教育や子どもたちとの関わりの中で、環境に左右されずに生きられる社会をつくりたいと願う人。孤独や孤立と向き合い、世代を超えた居場所づくりを進める人。それぞれ異なる立場やフィールドでありながらも、「誰もが自分らしく生きられる社会をつくる」という共通の想いを持って活動しています。
「行動を伴わない言葉は心をすり抜ける」「応援とは、まず知ること」「できるときに、できる人が、無理のない範囲で」——こうした言葉に象徴されるように、彼らの実践は、決して派手ではないけれど、日々の現場の中で人と人を丁寧につなぎ、小さな変化を積み重ねています。
教育、福祉、地域づくりといった分野を越えて交差する実践から見えてきたのは、「誰しもが支援者になれる社会」の可能性でした。課題に直面する当事者も、支える側も、そして今はまだ関わっていない誰かも、ゆるやかにつながり合うことで、未来をともにつくっていける、そんな希望が会場に広がる時間となりました。
次回は2025年4月23日(水)に第5回北海道応援カイギを開催予定です。
詳細は、またWebサイト等でご案内いたします。ぜひご参加ください。
応援する力と登壇者
①株式会社すみか 代表取締役 月館 海斗 氏
立命館大学卒業。中高一貫校で社会科教員を務める。
民間企業に転職し、小中学生向けのプログラミング講師になる。
2022年1月にオンライン進路相談サービスを開発し、株式会社すみかを設立。
現在は、高校の探究学習やキャリア教育のコーディネートを行う。
2025年4月〜コワーキングスペース×通信制高校サポート校をスタート予定。
Instagram:https://www.instagram.com/sumika_academy/
②一般社団法人ユアセル 代表理事
高橋 智美 氏
一般社団法人ユアセル代表理事。
作業療法士として総合病院、訪問看護ステーションで勤務しながら北海道で“ごちゃまぜ”の実現のため2022年6月任意団体ユアセルを立ち上げる。
“何歳になっても自分らしく”を目指し高齢者の生活支援、フリースクール、イベント運営など多世代にわたる活動を行う。
2024年10月居場所づくりから始める、ごちゃまぜで社会課題を解決するための不完全な挑戦の事例集(共著)を出版。
ホームページはこちら:https://yoursel.org/
③上士幌町教育委員会/一般社団法人ねづく 教育魅力化コーディネーター
中津 茜 氏
北海道札幌市出身。社会福祉士、社会教育士。
北海道大学教育学部卒業後、山梨県の児童養護施設に勤務する。
2020年に地域おこし協力隊として十勝の上士幌町に移住し、不登校生徒の支援など町の子どもたちに関わる活動を行う。
協力隊卒業後は教育魅力化コーディネーターとして町の高校魅力化に携わりながら、一般社団法人ねづくにも理事としても参画。
ホームページはこちら:https://neduku.or.jp/